ゲート部の材料流速が速すぎたり、ゲートからキャビティに流入する方向に材料流路が長すぎたりすると成形品の表面に蛇行状の痕跡を生じる現象をジェッティングという。
この現象は、まずゲート部の材料流入速度が過大であると、キャビティ内に細長く糸状を呈しつつ充填されてゆく(図11・1)。
そしてこの図のような経過をたどって充填が完了するが、初期に射出された材料ほ速く冷える。
で比較的流動し難くなり、糸状になったまま温度が低下し粘度が高くなる。
そのため後から入ってきた材料により蛇行状を呈するようになるが、低温高粘度のために十分融合しないので、蛇行状がそのまま成形品の表面に現われるのである。
(1)ゲートを、材料が厚さ方向のキャビティ壁に当たるように設ける(図11・2)。
(2)ゲート部の材料流速を遅くするために、ゲートの断面積を広くする。タブゲートも効果がある。
(3)射出速度を遅くすれば、ゲート部の材料流速が遅くなる。
(4)材料温度を上げて蛇行状部分の融合をよくする。
(5)金型温度を高くするのも融合に効果がある。
1.ショートショット(充填不足)2.ば り3.成形品面の“ひけ”4.気 泡5.フローマーク(波紋)6.シルバーストリーク(銀条)7.表面のくもり8.ウェルドライン(融合線)9.ブラックストリーク(黒条)および焼け10.クレイジング11.ジェッティング12.反りおよび変形13.成形品の離型不良14.スプルーの離型不良および切断15.材料の食込み不良16.その他の不良
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