成形品の肉厚を決定するときの基本要素は樹脂の選択であり、合理的な肉厚を選定するには以下の要因について充分検討する必要がある。
要求性能
・使用条件からみた肉厚
@構造、A強度、B重量、C寸法制約、D材料コスト、E外観上
・製造上(成形・二次加工)からみた肉厚
@成形時の流動性、Aサイクル上、B離型上、C二次加工上
一般的に成形品の肉厚は均一にすることが望ましく、変肉部分を少なくすることにより歪みを最小限にする。
標準的な肉厚:樹脂によって差はあるが、ごく簡単に2.5mmを標準に、1.5mm以下を薄肉、3.5mm以上を厚肉と考えてもよい。
(射出成形の場合min0.8mm、max3.5mm)また、厚肉、薄肉の基準についてL/Tがある。
L/T(L=ゲートからの流動距離/T=成形品肉厚)
肉厚と形状との関係
@成形品の肉厚はできるかぎり均一とすること。どうしても変肉させる場合は変化する部分をはっきりさせないで徐々に変更するなど工夫が必要。
A成形品の強度を確保し、かつ外観上の要求を厚さと形状にする。
Bリブ・ボス・穴・インサート周辺およびウェルド部分の補強をする。
特に金属インサートはプラスチックとの熱膨脹係数の差による応力発生に注意すること。
Cシャープコーナー、シャープエッジを除く。
これらがあると流動性が低下し、各種のトラブルの原因となるので隅肉やコーナーRは充分とること。
D部分的に強度のほしいときは、肉厚を増すよりも補強リブを設けた方が効果てきである。
E均一な肉厚でも広い面積を避けるか、デザイン的に変化を与える。
7-1.パーティングライン(分割線)と割型線7-2.抜き勾配・抜きテーパー7-3.アンダーカット(くい込み部分)7-4.成形品の肉厚(壁厚)7-5.リブの応用と効果7-6.ボ ス7-7.丸みと隅肉r7-8. 孔7-9.文字・マーク7-10.表面仕上げ
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